極真空手沖縄 ”小さいサムライたち”育成道場 魂の言葉【基本について】

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基本について 基本はコロンブスの卵である~


1990年『極真カラテ年鑑 第10号』より

 

 

 

極真カラテの総師大山倍達をして今だに夜中ふと目を覚まし、
己が拳を握ってじっと眺めることがあるという。

半世紀を越す経験をもってしても疑問は湧いて出てくる。
否、経験を重ねれば重ねるほど、人間のやることは底なしに
深いものなのであろう。

 

 

 

大山総裁は、かつて不可能とされていたことを次々に現実
にし、今日の極真を築いてきた。

しかし現実となった今日それ等は決して荒唐無稽な
仕業ではない。
日々の積み重ねの決果湧き出た現実であった。

あえて邪道と呼ばれながらも既存の空手界で実践を提唱し
実現してみせたことは、空手界のコロンブスの卵に
他ならなかったのである。

 

 

基本の稽古は面白いものではないかも知れない。
しかし、大山倍達が創り上げた極真カラテの基本には、
その真理と原理が秘んでいる。

総裁の言う『点を中心として円を描き、線はそれに付随するもの也』はその代表的な真理であり原理であるが、突きにしろ、蹴りにしろ、

この理に基づいている。稽古にしてもそうである。

基本を中心に多くの練習、鍛錬、稽古が存在する。
それらを1周するうちに螺旋状に上達してゆくのである。

しかし、どんなに上達しても、その中心には必ず基本が
存在し、安定した螺旋を支えていなくてはならない。

上達する途中で何度もつき当たる壁があるとすれば、
常に基本が壁を越える糸口を示してくれるはずである。

よく基本に立ち戻るという表現をするが、基本は後方にある
ものではない。

 

常に自分の中心にあり、いつもどこからでも
触れ直すことができる位置に基本はあるのである。

 

最近あたり前の様にウエイトトレーニングが行なわれている。
体型が変わって目に見えて筋肉がついてゆくのは楽しみでさえ

ある。

 

しかし、ウエイトトレーニングはあくまで補強運動にすぎない。

目的は、カラテを全うするためであることを忘れてはならない。

 

総裁は補強について次の様に言っている。
『補強運動は、機械を使わず自分の体重を利用したやり方が
よい。逆立ち歩きや、拳立てなど工夫すればいくらでもある。
自重を利した補強は体を壊さずに出来る。

しかし、そうは言ってもウエイトをやるなとは言えない。
もしウエイトを1時間やったらその3倍は移動稽古を
やるべきだ。鍛えた筋力はバーベルを持ち上げることではなく、
突き蹴りの技のパワーを増すためのものなのだから、カラテを
する体に十分馴染ませる必要がある。

カラテの動きを殺してしまうような筋肉は必要ないではないか』
カラテは体中の筋肉のバランスを必要としている。

他に類似した格闘技を見てもわかる様に、体格だけが先行しても意味はない。

 

自分のベストを知り調整することは、誰でも知ってる通り体の基本である。

自分のカラテに見合ったバランスのよい体作りも基本稽古の
うちなのではないであろうか。

人が極真カラテをやる以上、必ず基本に戻って来る。

カラテ修行のすべてはこの基本に凝縮されているといっても
過言ではないのである。